元・女性向け風俗セラピスト ハル氏

女性向け風俗店で働いていた元セラピストによる体験談を元に漫画化し、Twitterとブログに同時更新している『女性専用風俗と僕』【@HalPseudo






この漫画は、主人公の“僕”と、その“僕”を求めて女性向け風俗を利用する“様々な女性客”とのやりとりが主な内容です。あっさりしたタッチの線ながら登場人物たちの感情が繊細に描かれ、不思議なことに、読者は“女性客”側だけでなく主人公の“僕”側にまで共感してしまうようなストーリーになっています。

今回はその原案者で元セラピストのハルさんにインタビューをしました。

――ハルさんは現在は女性向け風俗店のセラピストではないのですか?

ハル はい、ある性感マッサージ店に1年ほど勤務し100人近い女性の接客をさせていただきましたが、すでに退店し半年以上経ちました。自分にとって女性向け風俗で働いたことは女性の性欲の奥深さを知れたこと、人間誰しもが抱える寂しさや生きることへの不安などは男女差なくあるものなんだ、ということが実感でき、実に濃い一年でした。

――漫画でも描かれていた、セラピストになったキッカケは親戚の借金の肩代わりというのは本当なのですか。

ハル はい、その辺りはほとんど漫画の通りで親戚の借金トラブルに自分が巻き込まれてしまった感じです。具体的な借金額は言えませんが、普通に昼間だけ働いていたら返せるほどの額ではなかった。それで副業として女性向け風俗店で働き、借金返済の目処がたったので辞めたんです。

――そもそもなぜ漫画を始めたんですか?

ハル 自分にとってあの一年間は、かつてないくらい密度が濃かった。もうすでに過去のことなのに、記憶の中にどう落とし込んで良いかわからないモヤモヤがあって。あの日々を思い出し整理し、漫画にすることでそのモヤモヤを昇華させたいと思ったんです。

――漫画もハルさんが描かれているのですか?

ハル いえ、僕は原案のみ。知り合いでイラストが描ける旧友に作画をお願いしています。今年4月から描き始めて1日1ページ更新くらいを目処に投稿しています。

――お客さんの年齢層は大体どのくらいの方が多かったですか。

ハル 入って3ヶ月くらいは今まで恋愛をする機会があまりなかった20代~30代のお客様が多かった。緊張で肩を小刻みに震わせ怯えながら待ち合わせ場所で待っているような方もいました。それ以降は18歳以上から50代まで様々でしたね。

――どんな職業の方が多かったですか?

ハル ほとんどが昼職のOLさんです。専業主婦でパートをされていたり、介護士や看護師、さらには風俗、キャバ嬢の方などもいらっしゃいました。

――そのお客様達は、どんな目的で利用されているのでしょうか。

ハル 大きく2パターンだと思います。寂しさや疲れを紛らわす心の癒しを求める人と、気持ちよくなりたいと快楽を求める人。中には衝動的に「今日ひとりで眠りたくない」とか「ちょっとだけ顔見たい」とか、その日突然って女性も多かった。僕はそのような突発的なご依頼に臨機応変に対応することが役割だと思ってました。

――「一緒に寝たい」とか「顔見たい」とか、もはや彼氏に抱く感情ですよね。

ハル でも僕自身はお客様の彼氏的存在になろうと取り組んでいませんでした。気分転換や疲れた元気チャージとか発散だとか、そういう“止まり木”みたいな存在になれたらと。僕に一瞬止まって、そこから再び飛び立ってもらえたらいいなと思ってた。だから僕はお客様達に「愛してるよ」とか「好きだよ」という言葉は僕からは言ったことがありません。

――僕から言ったことはないけど、せがまれて言ったことは…?

ハル はい、お客様の中には「好きだと言って」とせがんでくる方もいました。また、「好きになってもいい?」と聞かれたことも。僕はそんな時は「好きだよ」と言いながらも「今この時間だけは好きでいていいけど、もっと君が幸せになれる人はいるからね」と言っていましたね。

――なるほど。でも中には困ったお客さんもいたのでは。

ハル そうですね…。エロすぎてこちらが少し驚いてしまうお客様はいました。「どうしたら入れてくれるの?」とせがんできたり、「(私の体を見て)元気になってほしい(=勃起してほしい)」と言ってきたり。「学生の頃から痴漢プレイが好きで、まず痴漢してほしい」というご要望もあったり、女性にも性欲はあるのはもちろん、もしかして男性よりも性欲が強い女性はいるのではないか、と思ったほどです。

――ぶっちゃけ、女性も性欲の強さにヒキました?

ハル いいえ、そんなことはないです。ストレートに性欲をさらけだす女性の強さに尊さを感じましたね。僕も自分自身を変態だと思っていたけど、女性も変態性はあるんだなと感心しました。

――うっかり自分も盛り上がってしたくなっちゃうような時はなかった?

ハル 実は最初の頃は反応してしまう自分もいましたけど、慣れてくると無反応になって、なんならED気味だったかもしれない。

――女性向け風俗を利用したいけど今一歩踏み出せない女性に何かメッセージを。

ハル なんとなくカラオケじゃ発散しきれない、じゃあ女性用風俗かな、くらい敷居が低くなれば良いのにと思います。僕は彼氏や夫がいるから利用しちゃダメだなんて思いません。女性向け風俗を利用することで彼氏を思いやれたり、険悪な夫婦生活が良くなったりするなら良いと思う。ただし、彼氏や旦那さんには女性向け風俗を利用したことは墓場まで持って行って言わないこと、ですね。

今は本業のアパレルメーカーでの昼職のみだというハルさん。今後、再び女性向け風俗店で勤務することはあるのかと問うと「ないと思う」と言います。そしてこう続けました。

「心が落ちこんでいる人を支えるというのは、普通のマッサージ師の人もそうだと思いますが、こっちが元気じゃないとやれないです。今は少し、自分のことだけでいたいかな」

借金返済という重い肩の荷を下ろし、ようやく自分のためだけに生きるというハルさんを心から応援しつつ、漫画の続き楽しみにしたいですね。


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