ここ数年、急速に市場規模が拡大している「女性専用風俗」。首都圏店舗が日本各地へと進出し、今やどの県にいても出張サービスとしての女性専用風俗を受けることができるようにまでなりました。これにはテレビ番組で特集されたり、女性専用風俗を題材にした映画が公開されるといった現象の影響も大いにあるようです。

そんななか、「女性専用風俗は、なぜここまで広まったのか?」「これからどこへ向かうのか?」を語らう女性専用風俗のサミットが、2019年7月15日に行われました。
主催は現代のあらゆる風俗産業の“公共化”を目指す一般社団法人ホワイトハンズでサミット名は「セックスワークサミット2019夏『女性専用風俗』「進化論 ~女性専用風俗の現在と未来~」。
 
ここに、女性専用風俗の現場を取材した『女性専用』(徳間書店)を刊行したルポライターのハラ・ショー氏や女性向け風俗「SPAWhite(スパホワイト)」代表の久慈あす香氏、さらには現役で女性向け風俗で働く男性セラピストの速水真幸氏、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美氏が登壇し、80名ほどの参加者によって行われました。

「SPAWhite(スパホワイト)」代表の久慈あす香氏



サミットのはじめに、ホワイトハンズの坂爪真吾代表が、女性専用風俗が広まった背景についてこう語りました。

「スマホの普及といったテクノロジーの進化に加えて、恋愛やセックスに対する女性の意識の変化が生じたこと、さらに未婚・非婚女性が増加し、セックスレスや働き方改革を巡る問題などの社会環境の変化が影響しているように思います」(坂爪真吾代表)

今や女性も男性と同じように働く社会となるとともに、徐々に女性にも男性と同じように性欲があり、それが徐々に認められ、言いやすくなってきたということなのでしょう。



これを受け、ハラ・ショー氏は女性専用風俗を利用する女性についてこう解説しました。

「女性利用者は独身既婚は関係なく、18歳から70代まで幅広い年代の女性が利用しています。キッカケの大半は好奇心のようですが、その多くは、処女であること、旦那さんとセックスレスなど性的な悩みを抱え“だから自分には必要なのだ”と、自分を納得させて通い始めているようです。
女性は肉体的な欲求不満の解消だけでなく同時に精神的な癒しを求めています。男性セラピストと触れ合うことで女としての自信を取り戻す方もいるようです。
店舗により客層も違い、20代女性客が多い店、30代、40代女性に人気の店など、それぞれ特色を持ち、最近ではお金を持っている40代以上を意識したか、キャストが35歳以上であることを謳ったお店も登場しています。
風俗嬢から人気のある店などでは、キャストによる売上げ競争が激化し、女性専用風俗のホストクラブ化が懸念されています。このような競争が生じると客同士だけでなくセラピスト間でも不要な不和が生じるケースもあるので、不安視する声も出始めていますね」

では、どんな男性が女性専用風俗で働くのか? 久慈あす香氏が経営する「SPAWhite」は、彼らの実像についてこう話した。

「当店ではほとんど普段は会社員で副業でこの仕事をする男性が多く、20代から40代男性まで様々です。新しい店舗では『キャスト急募』と男性を募集し、ろくに研修もしないで接客する店もあるようですが、それはトラブルの元です。うちでは15時間以上の研修を重ね、手コキ風俗やマッサージの資格も持つ私自身が『この人だったら、女性を満たせる』と確信できるまで現場には出しません。合格率は100人に1人ぐらいですよ。
女性の気持ちは変わりやすいので、目の前の女性を見て、『今日はハグかな』『お話がいいかも』と、その時々で求められているものを、きちんと受け止めるように教育しています。
女性専用風俗の利用者は直接的なエロスだけでなく「人間として女性として大切にされる」感覚を欲しているので、それを汲み取れる男性でないと採用できません」(久慈あす香氏)




 では、実際に女性専用風俗で働いているのはどんな男性かというと? 女性専用風俗歴4年、感覚改善・中イキオーガズムを中心とした技術系セラピストで、400名以上の女性への施術経験がある速水真幸氏は言う。

「セックスレスを理由に利用されるお客様の中でも、その悩みには多様な原因があることを知りました。セックスレスと言っても、パートナーにだけ問題があるわけでなく、女性自身が挿入すると痛みを感じる性交痛、痛みはないにしても感じにくいなどで深刻に悩まれているケースが多いのです。なので私は、そのようなトラウマ解消だったり感覚改善施術に特化して活動しています」(速水真幸氏)

 恋人・夫婦間の不仲の原因を「性」を通して20年以上カウンセリングしている恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美氏は、女性視点からセクシュアルヘルス・メンタルヘルスから考える女性向け風俗の意義について語りました。

「恋人・夫婦仲相談所に相談にくる女性の悩みのほとんどが『恋人、旦那さんに誘ってもらえない』です。『自分から声をかけても無視される』などもあるようです。このような誰かに相談しにくい悩みに、女性もお金で割り切って風俗を利用するのは、大人の女性のセクシュアルヘルス、そしてメンタルヘルスにとって、時には必要だと感じています。
ただ抱きしめてくれる、背中を撫でながら話を聞いてくれるといった、ソフトなサービスでも、充分に心が癒された、という感想を下さった方もいました。女性専用風俗を利用し『鬱屈した感情から救われ、夫婦仲の修復につながった』『セックスなしで泣いている背中を何時間も撫でてもらい、ストレスや苦しみから解放された』など、メンタル効果に満足したという声が多いです。セックスレスで悩む女性にとって、女性専用風俗が大いなる福音になっているのも事実なのです」





 最後に、元は男性向け風俗のあらゆる店舗を取材し、大衆誌にて「ふ〜ぞく探偵 ハラ・ショーが行く」の連載も手がけるハラ・ショー氏に、女性向け風俗を利用することに不安を感じるであろう多くの女性へメッセージをもらいました。

「男性向け風俗にしろ女性向け風俗にしろ、そこを利用する意義は新たな活力を得ることだと思います。性の世界が男女を超えて拡大し、その多様性が理解されていくことこそが、これからの時代に必要なのだと思います」

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