男性の“イク”は射精というわかりやすい現象があるものの、女性の“イク”はとても難解でわかりにくいものですよね。また、どのように“イク”か、そしてその感覚がどのようなものであるかは十人十色であると言えます。

最近ではクリトリスを刺激されてイクことを“外イキ”、膣内を刺激されてイクことを“中イキ”と二種類の“イク”があるとされ、さらにいえば外イキよりも中イキの方がワンランク上をゆく絶頂体験なのだそうで、それを経験しなければ女性として一人前じゃないかのような…女性として不感症なのではないか…と不安に感じる女性もいるほどです。

イクってなんなの? なぜ私たちはイクことにこだわるのでしょうか?

そんな永遠のテーマを切り込んだドキュメンタリータッチのAVが存在しました。それが1998年にAVメーカー、アテナ映像より製作された『たかがSEXされどSEX イクことにこだわる女たち』です。こちらは、現在、81歳になられる現役AV監督、代々木忠の代表的なシリーズ作品のうちのひとつです。

今回は代々木監督を師と仰ぐ現役AV男優の森林原人氏が『たかがSEX〜』に男優として出演する元AV男優の平本一穂氏とAV監督の市原克也氏を招き『代々木忠監督作品から学ぶ会③』を開催し、上記作品の上映会を行いました。


左からAV監督の市原克也氏、元男優の平本一穂氏、現役男優の森林原人氏

会場に集まったのは、20代から50代くらいまでの40名ほど。いずれも森林氏による呼びかけで集まった一般の男女です。

作品の出演者はソープ嬢の綾音(26歳)と本業は国際通訳の映子(年齢不詳)、そしてネイルアーティストの美喜(28歳)と大学1年のめぐみ(18歳)の4人の女性と、男優役として平本一穂氏と戸川夏也氏の2人の男性。


序盤で「あなたもイってみたいか?」と代々木監督に聞かれ「そうですね」と目を輝かせる女子大生のめぐみさん

作品のテイストはドキュメンタリー風。千葉の山荘で2泊3日で行なわれたそうです。

序盤から衝撃的だったのは、ソープ嬢の綾音と戸川によるセックス後のこと。
綾音が「なぜ私の気持ちイイところを知っているの?」などとを戸川に問うと、戸川は嘘を見透かすように「イッてないでしょ?」と冷ややかに返します。
綾音はバツの悪そうな顔をして「こんなになってるのに?」と問うも、戸川は「そんなにベラベラしゃべれないよ、ホントにイッたら」と突き放します。

次に、通訳の映子と男優の平本。先ほどの戸川と綾音との肉弾戦のようなぶつかり合いとは対照的な、まったりとした愛撫に他愛のない会話をしながら情感の溢れるセックスを展開。

事後、映子は惚けたような顔で「なんか嬉しかった」「テクニックとか、そういうこと以外にすごい大事なものがあるような気がして。精神的に充実するセックスが、私にとっては一番いいのかなと思いました」と言うのです。


男優の平本と通訳の映子。イチャイチャなセックスをして笑顔のふたり


イチャイチャなセックスを見せつけられ、冷めた視線で見るめる他の女性陣

この映子、その後もけっこうイイこと言っていました。映子はこの後、男優の平本とネイルアーティストの美喜とのセックスを目の当たりにします。映子はそれを目を潤ませながら見つめ「悲しいとかじゃなくて、見つめ合う二人を見たら感動しました」と微笑むのです。さらに「(セックス中に)いいカッコしたり、頭で考えたり、そんなふうなことをしなくて、心の動くままにしていいんだ……」と、満足の笑みを浮かべるのです。フツーだったら、自分とセックスした男が別の女とセックスをするシーンなんて見たくはないだろうに、目の当たりにした上で感動までしてしまうとは、女性の感情とは不思議なものです。

1時間14分の作品の上映後、森林氏や平本氏によるトークセッションが行われました。


他人の激しいセックスを至近距離で見せつけられるシュールな1シーンも

――代々木監督はなぜこの作品を撮られたのでしょうか?
森林原人(以下、森林)「代々木監督は女性たちが本当にイクところを撮りたいとドキュメンタリーAVにこだわった監督です。なぜならオーガズム体験をした女性はその後の人生が変わるくらいの気づきを得ることを現場で目の当たりにしてきたからなのです。一方で“それでいいのか?“という思いもあり、自らの疑問をユーザーにも投げかけるようにこの作品を撮ったと言います」

――人前でセックスを見せ合い思いが交差する中で女性たちから自然と出てくる言葉の数々もとても印象的でした。
森林「ですよね。最後に平本さんとセックスをした女子大生のめぐみさんが“(イってもイカなくても)関係ないかもしれない”という言葉が作品の全てを物語っていて、締めにふさわしい自然に出た言葉担っていると思います」

――作品は21年前になりますが、当時から今もAV業界に関わってきて、当時と現代の女性の“イク=絶頂”には、何か変化はありましたでしょうか?
市原克也(以下、市原)「昔の女性よりも今の女性の方が、いとも簡単にスイッチみたいに押したらイクって感じじゃないかなあ」

平本一穂(以下、平本)「そうだね、圧倒的に今の女性の方がイク経験をしていると思う。ネットでもなんでもイクとは何ぞやって情報が見られるし、何より女性たちがイクことに前向きになっているからね」

森林「たしかに。女性は肉体的な開発だけでなく精神的にも開発されていないとイクことができません。例えばそれは“相手男性に全てを開け放てるか”とか“相手男性とセックスを何回か重ねてすでにイク経験をしているか”など様々な要因があると思うのですけど、今の女性の方がイクことに努力をしているというか、自ら向かっている感じはしますね」

平本「そうですね。昔の女優はイクことは恥ずかしいものとして、そんな姿を見せたくないという奥ゆかしさがあった。だからこそイってしまうことに羞恥心があった。でも今ではドMアピールとか当たり前だし、イクことに興味津々な女性が増えていますし」

市原「そうやねー。21年前よりもイク行為自体がより“スポーツちっく”になっているのは確かやね」

――結局、今回の『イクことにこだわる女たち』に登場した4人の女性は、イったのでしょうかね?
森林「女性のイクはあくまで自己申告制。今回の出演女性は誰も作品内で“イった”とは言っていないので真意はわかりません。でもおそらく4人ともイってないと思います。でも最後に女子大生のめぐみさんが“(イってもイカなくても)幸せならそれでイイ”とコメントするのが印象的でした」

いかがでしょうか? 私もこの作品を見て、映子さんの“見つめ合ってするセックスを目の当たりにして感動した”と涙ぐむシーンに感動しましたし、最後のめぐみさんの“幸せならそれでイイ”に大きく頷きました。

セックスの後、「またこの人とセックスしたいな」って思えるくらい満たされることが第一だし、さらに言っちゃえば「またこの人とセックスする日がくるまで頑張ろー」とか「またこの人から求められる魅力的な女性でいたいし、相手男性にも私が求めたくなるような魅力的な男性でいてほしいなあ」とか思えることが一番だと。それこそが豊かなセックスライフ! いつまでもそうありたいって思いませーんか?


※『代々木監督作品から学ぶ会』の次回上映会は10月12日(土)です。
最新情報は森林原人氏のTwitterでチェック。
森林原人Twitter【https://twitter.com/AVmoribayashi

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